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[コラム]主の公現の祭日とは無関係だったのでしょうが

2017年01月29日

ヨハネ・マリア・ビアンネ 浦野雄二神父(本郷教会小教区管理者)

新年1月6日の夜、NHK総合で「宇宙をめぐる大冒険」という番組をたまたま観ました。物理学者の村山斉(むらやまひとし)先生が、宇宙の始まりについての最新の状況をふまえて解説する番組でした。

主の公現の祭日は、今の典礼暦では原則として、1月の最初の日曜日に祝われますが、典礼暦の改定前は、1月6日に祝われていました。主の公現は、星に導かれて占星術の学者たちが東方から幼子イエスのもとにたどり着き、すべての人のための救い主との出会いが実現したことを記念する大切な意味を持つ祭日です。

宇宙の始まりは138億年くらい前のことだったと考えられています。ちなみに地球の誕生は46億年くらい前のことだったようです。宇宙の始まりはビッグバンによって引き起こされたようですが、宇宙の始まりは、とても小さな空間に集まっていたものが膨張して起こり、今も膨張を続けていること、膨張の過程において例外的にまとまったものが、地球も含めて星や銀河であることが説明されていました。宇宙にたくさんの星があることを、私たちは知っていますが、たくさんの星は例外的な存在であるということです。たくさんの星が例外であるということは、宇宙の成長がとてつもなく膨大なものであるかを物語っているということです。村山先生は、この観点から地球という存在が、いかに奇跡的なものであるかを強調しておられました。

NHKは、もともとの主の公現の祭日を知っていて、星をキーワードにした番組を1月6日に放映したわけではないのでしょうが、神様の粋な計らいだったのでしょうか。

本郷教会会報『ケファ』299号 巻頭言より