2018年10月30日
ヨハネ・マリア・ビアンネ 浦野 雄二 神父(本郷教会小教区管理者)
8月下旬、銀座に買い物に出かけた折、「子どもが教えてくれたこと」という題名の映画を上映している映画館の前を通りました。幼稚園に関わっているせいか、この手の題名にはちょっと惹かれるものがあります。日を改めて、観に行きました。
内容は、フランスのドキュメンタリー映画で、5人の子どもが登場します。5人とも難病を抱えています。この子どもたちの姿を淡々と描いている映画です。難病を抱えているので、つらい治療も受けなければなりません。治療を前に恐れたり、孤独感に襲われる場面も出てきますが、基本的には病気のことを理解し、とても明るい子どもたちの姿が描かれています。どうして子どもたちがこんなに明るく、前向きに生きることができるのだろうかと思ってしまいます。
映画を観て感じたことは、子どもたちの姿は子どもたちを取り巻く人たちの姿を映している鏡のようなものであるということです。子どもたちを取り巻く家族や友人や医療関係者は、難病の子どもたちを憐れむことなく、置かれた状況を恨むことなく、子どもを一人の人間として扱っているのです。このことはすべての子どもに当てはまります。幼稚園に通う子どもたちの姿もまた、その子どもを取り巻く家族や友人の姿を確かに映し出しています。
本郷教会も教会外の人たちにとっては、どのように映っているのでしょうか。考えるとちょっと恐ろしいことではありますが、忘れてはならない大切なテーマでもあります。
本郷教会会報『ケファ』306号 巻頭言より