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[コラム] 素敵な生き方にちょっと憧れる

2018年01月28日

ヨハネ・マリア・ビアンネ 浦野 雄二神父 (本郷教会小教区管理者)

先日たまたま観ていた番組で、フランスのブルゴーニュ地方でワインを造っている仲田晃司(なかだこうじ)さんを取り上げていました。番組に登場する仲田さんは素敵な笑顔を絶やさず、常に前向きで、「いつだって人生は楽しい」という姿勢を貫く人物でした。

そんな仲田さんの歩みは、決して順風満帆なものではありませんでした。父親が友人の連帯保証人となったことにより、その負債のために家族は苦しい生活に陥りました。また23歳で単身フランスに渡り、ブルゴーニュ地方でワイン造りを始めますが、周りの生産者からのいやがらせ、冷たい仕打ちなどを経験しました。しかし仲田さんは自分の夢の実現のために、黙々と地道に手作業にこだわり、最大の努力を注いでワイン造りを続けました。そんな仲田さんを意外な人が評価しました。それはブルゴーニュのワイン造りの神様と呼ばれるアンリ・ジャイエ氏でした。ジャイエ氏の高い評価を受けて仲田さんに対する周囲の反応が変わっていきました。

自分にないものを持っている人と出会う時、憧れと共に、自分とあまりにもかけ離れている驚きを感じることがあります。仲田さんの笑顔は、素朴で、人懐っこく、素敵なものでした。イエスと出会った人の思いにも通じるかもしれません。造った人を反映するのがワインであるという主義のために、最大の努力を惜しまない姿に圧倒されました。仲田さんは特別な人ですが、この世にそんな素敵な生き方をしている人を知ったことに感謝です。

本郷教会会報『ケファ』303号 巻頭言より