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イエスの福音への招き 「聖ヨセフ」

2019年03月19日

 聖ヨセフの祭日

2019年3月19日 本郷教会

第一朗読 サムエル下7・4-5a,12-14a,16
第二朗読 ローマ4・13,16-18,22
福音朗読 マタイ1・16,18-21,24a

説教

教皇ベネディクト16世は、退位する少し前に、聖ヨセフの名前をすべてのミサ奉献文にするようにという指示を出されました。
今読まれましたマタイの福音の中で、ヨセフは、夢の中の天使からお告げを受けて、マリアを受け入れ、そしてマリアの夫となり、さらにイエスの父となると言う決意をしたのであります。身に覚えがないにもかかわらず、許婚の乙女マリアが妊娠したことを知ったヨセフは、どんなに苦しい思いをしたことでしょうか。ヨセフは正しい人であったと言われております。非常に苦しんだに違いない。しかし神様の導きを信じ、マリアと一緒に家庭を築き、家族を保護し、イエスを養育いたしました。
 夢のお告げと言えば、もう一つ、イエスが生まれた直後、ヘロデが、その頃その地方に生まれた全ての男の子を虐殺するという、ひどい事態が起こった時に、夢の中で避難するようにと言う指示を受けて、まだ夜が明けないうちに、すぐにそこを発って、ベツレヘムからエジプトに向かった。夜中、夜が明ける前に、妻と子供を連れて、すぐに出発したのでした。大変信仰深いだけでなく、決断力と実行力のある人であったと思われます。ナザレでの静かな日々を過ごし、そしておそらく、ヨセフは自分の仕事をイエスに教えたことでしょう。
ナザレにおける聖家族の生活の30年は、それはわたしたちに、この家庭というものが、人間にとって非常に大切である、ということを想い起こさせます。今、日本だけでなく、世界中で、家庭、家族という、人間にとって最も大切な人と人とのつながりが危機に貧している、困難な状態にあることをわたしたちは知っているのであります。そういうこともあったからでしょうか、教皇様は、ヨセフを、大変重要な聖人として、もっと多くの人がヨセフの召命を知るようにと望みになり、ミサ、典礼の中に名前を入れるようにと、お決めになったのではないだろうかと思います。
 ヨセフの生涯は、妻マリアを通し、イエスを育てるために献げられました。このヨセフを導いたのは、何であったのでしょうか。それは、夢の中で彼に告げられた主の言葉、神の導きであります。夢で神様のお告げを受けるというのは、よほど特別な、神に対する深い信仰があったからでありましょうか。ヨセフの言葉というのは、聖書には出てこない。もちろん、言葉は使ったに違いないけれども、記されていない。不言実行の人。神のみ言葉に従って誠実に生き、自分の役割を忠実に果たし、静かに地上の生涯を終えた人でした。イエスは30歳を過ぎてから公生活を始めました。それまでに、イエスがまだナザレにいた時だったのでしょうか、ヨセフは地上の生涯を終えています。
ヨセフは、自分の役割、父親としての役割、夫としての役割を果たし、妻を守り、子どもを養育して、やがて静かにナザレの聖家族のから去っていったのでした。イエスはヨセフが去ってから、おそらく、家族の生活を支えるという役割を果たしたと思われます。そして、30歳を過ぎてから、ご存知のように、神の国を述べ伝える活動を始めたのであります。
現代の家族の一人ひとりの困難をご存知の神よ、わたしたちを守り、導き、支え、知恵と勇気をお与えくださるよう、聖ヨセフの取次によって祈りましょう。
 
 岡田武夫名誉大司教説教集ブログより転載しています。
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